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母子日赤だより

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いのちの授業 出産は奇跡で、すべての人は大切な存在

当院では、葛飾区より生命尊重推進事業について委託を受け、助産師が区内の小中学校を訪問し「いのちの授業」を行っています。各学校とは事前に打ち合わせを行い、授業を受ける学年に合わせた内容を考えます。今回は、中学校1年生の授業をご紹介します。

生徒達に小さな針穴が開いた紙を配り、「紙を天井にかざしてみましょう!」というと、みんな不思議そうに針穴をのぞきます。針穴の大きさは約1mm、「いのちのはじまり」である受精卵と同じ大きさです。男性の体にある精子と女性の体にある卵子はいのちのもとで、中学生の体にもすでに存在します。とても小さな受精卵がお母さんのお腹の中で10カ月間かけて大きくなり、無事に生まれてくることは当たり前ではないことを、大切なメッセージとして伝えました。同時に、出産は母も子も命懸けであり、胎児から赤ちゃん、そして中学生に成長した「今の自分」は素晴らしい存在であることをお話ししています。

自分のいのちも相手のいのちも大切に

思春期は、ホルモンバランスの変化から、イライラやもやもやなどの感情が生じ、心が不安定になりやすい時期です。授業を受けた生徒には、自分自身について知り一人で抱え込まないこと、信頼できる大人に相談すること、ストレス発散の方法を見つけることが大切であると伝えました。
 最後に生まれたての赤ちゃんと同じサイズの人形を抱っこすると、「重いね」「ドキドキする」などと言い合いながら、みんな笑顔で楽しそうでした。後日、「自分が生まれてきた奇跡を感じた」「自分を大切にしたいと思った」「親や友達との関係が難しい時があるが、今回の授業がためになった」「相手のことを知り、お互いを大切にしたい」などの感想をいただきました。

いのちの授業で使う月齢ごとの胎児の人形。実際の大きさと重さに近づけている。

いのちの尊さを伝え続けたい

授業を受けた生徒の中には当院で生まれた子もいて、小さないのちが中学生まで元気に育った姿を目にし、胸が熱くなりました。いじめや自殺が絶えない世の中ですが、生まれてくる奇跡をそばで支える助産師として、子どもたちに「生まれてきてくれてありがとう」「自分を大切に生きてほしい」というメッセージをこれからも伝え続けていきたいです。

お母さんのお腹の中でどのように赤ちゃんが育つのかを説明。