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母子日赤だより

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新生児・胎児の睡眠について

レム睡眠が長い新生児

睡眠には浅い眠りと深い眠りがあり、この全く異なる2つの状態が交互に、成人では約90分のサイクルで繰り返されます。近年の研究からこの2つの状態をレム睡眠とノンレム睡眠と呼んでいます。
新生児の睡眠は、成人と比べると、睡眠時間は長く、レム睡眠が2倍ほど多く、睡眠サイクルが半分という特徴があります。
レムはレム睡眠中に認められる急速眼球運動(Rapid Eye Movement)を意味しており、脳内ではモノアミン系という興奮性物質が増加することで精神活動が活発となっていると考えられています。このため、新生児ではレム睡眠期に神経の発達が盛んに行われると考えられています。

赤ちゃんはどんな夢を?

成人を対象とした実験から、夢はレム睡眠時に見ていることが分かっています。新生児の夢の内容を確かめることは困難ですが、新生児の視覚は他の感覚に比べて未熟であるため、視覚イメージを伴わない夢かもしれません。つまり、音、ニオイ、触覚等を主体とした夢なのかもしれません。
胎児の睡眠は新生児よりさらにレム睡眠の割合が多い事が分かっています。神経系の形成が盛んであることが反映されていると解釈されていますが、胎児は夢をみているのでしょうか?いろいろな説がありますが、興味深いものとして、原始体験があります。妊娠初期の胎児には鰓(えら)があったり、しっぽがあったりと脊椎動物の進化の過程が再現されていることはよく知られていますが、その進化の過程を夢のごとく体験しているのではないかというものです。
もしかすると、赤ちゃんが笑っているのは、自分がシーラカンスになって泳いでいる夢を見ているからかもしれませんね!
寝る子は「神経が」良く育つ、ようですので、入院児のケアにおいても極力睡眠を損ねないよう取り組みたいと考えています。

小児科医師 来住

(絵:来住医師お子さんたちの合作!)