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産院からのお知らせ
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冬の感染症にはご用心!!

 今年もあとわずかになり、冬本番となりました。
この時期、インフルエンザが流行します。予防には手洗い、マスク着用が基本となります。

インフルエンザとは

 インフルエンザウイルスによる感染症で、38度以上の発熱・頭痛・関節痛・筋肉痛などの症状が認められます。
多くの患者さんでは無治療でも1~2週間で自然治癒しますが、5歳未満の乳幼児・65歳以上の高齢者・慢性呼吸器疾患などの基礎疾患のある人の場合には、気管支炎・肺炎などを併発し、亡くなる場合もあります。

妊婦とインフルエンザ

妊婦がインフルエンザに罹患すると重篤な合併症を起こしやすいとされています。
①妊婦がインフルエンザ流行中に心肺機能が悪化し入院するリスクは、産後と比較して妊娠週数とともに増加すると報告されています。
  妊娠14~20週 1.4倍  妊娠27~31週 2.6倍  妊娠37~42週 4.7倍 
  
②妊婦がインフルエンザに感染すると自然流産、早産、低出生体重児、不当軽量児(在胎週数から予測される体重より体重が少ない児)、胎児死亡の増加が認められています。

インフルエンザの重症化を予防するにはワクチン接種がもっとも有効な手段です!!

 妊婦においてもインフルエンザワクチンの予防効果は実証されています。また、妊娠中にインフルエンザワクチンを接種することで、生後6ヵ月まで生まれたお子さんのインフルエンザに罹る頻度を減少させることが報告されています。生後6か月未満のお子さんに対するインフルエンザワクチン接種は認められていない為、妊婦のワクチン接種は妊婦とお子さんの双方に利益をもたらす可能性があります。

 また、わが国のインフルエンザワクチンには、防腐剤としてエチル水銀(チメロサール)を含有している製剤がありますが、その量はごく少量で胎児への影響はないとされています。過去には自閉症発症リスクとの関連があるのではと報告されていましたが、現在では否定されています。
ワクチンの接種時期は効果発現を考慮して、流行シーズンが始まる10~11月が理想とされています。しっかり接種し、感染予防に取り組みましょう。

インフルエンザに罹ったら

 ワクチンも完全ではない為、インフルエンザに罹患する場合があります。その際にはしっかり治療を行うことが重要です。
わが国では抗インフルエンザウイルス薬としてオセルタミビル(タミフル®:内服薬)、ザナミビル(リレンザ®:吸入薬)などが使用できます。これらの薬剤は、ウイルスの増殖を抑制するため発症早期(発症から48時間以内)から服薬することにより、発熱期間の短縮や、ウイルス排出量も減少し、重症化を予防することができます。最近では、長時間作用型吸入薬であるラニナミビル(イナビル®)や点滴薬であるペラミビル(ラピアクタ®)も使用可能となっています。

抗インフルエンザウイルス薬の妊娠・胎児への影響

 現在までに、タミフル®又はリレンザ®の妊婦への投与による胎児の先天性奇形のリスク増加は認められておらず、また早産、アプガースコア(出産直後の新生児の健康状態を表す指数)、低出生体重、新生児死亡率、新生児罹患率等のリスク増加への関連性も認められていません。イナビル®においても小規模の研究報告ではありますが、妊婦及び胎児への有害事象はなかったと報告されています。
 米国疾病予防管理センター(CDC)では妊婦及び分娩後2週間以内の褥婦がインフルエンザ症状を認めた場合には、症状出現後48時間以内に抗インフルエンザウイルス薬による治療を勧めています。
 インフルエンザ症状が見られた場合には、早期の医療機関の受診と治療が求められます。

まだまだ寒い日が続きますが、体調崩さないよう感染予防対策を行い、この時期を乗り切りましょう。
薬剤部 小林