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母子日赤だより

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災害時にも母子のいのちと健康を守るために

毎年のように日本各地で深刻な災害が発生している今日。ここ葛飾区も、首都直下地震や河川の氾濫などの災害のリスクが高い地域です。
私は看護部の災害救護・防災検討委員会の一員として、『災害が起きた時も患者さんと職員のいのちと健康を守る』という信念を持ち、様々な災害を想定しながら活動しています。具体的には、災害に強い院内の環境整備、防災マニュアルの見直し、研修や訓練運営を通じた職員の防災意識の向上などです。ここでは、日頃の病棟での備えの一部と、最近実施した研修と訓練をご紹介します。

病棟での備え

病棟備え付けの折りたたみ式ヘルメットと避難経路MAP

患者さんが入院する産科病棟では、折りたたみ式のヘルメットや避難経路MAPを全室に常備しています。また、災害が起きた時に、大人が赤ちゃんを抱えて安全に避難するために、ベビーベッドに赤ちゃん救出袋を設置しています。NICU/GCUにも同様に設置しています。使用方法については当院の妊娠出産育児ガイドに載せて入院前から予習していただけるように工夫しています。
 患者さんにも災害に備えて追加で持ち物をお願いしています。詳しくはこちらをご覧ください。

救護員養成のための研修

2016年熊本地震での救護班派遣時の様子

災害救護活動は、私たち赤十字職員の使命です。私たちは、災害が発生した時、救護員として被災地に派遣され、救護所等で医療活動を行うことが求められています。
当院では、入職直後の新人研修にて、救護員になるための心構えや必要研修について伝えています。そして、入職後3年目以降の職員を対象に、派遣看護師として必要とされる災害看護の知識と看護実践について、講義と演習で学びを深めます。演習を通じて、日ごろの看護ケアやチームワークが大事であると改めて気づく職員が多くいます。私自身も研修運営の経験を重ねるごとに、災害発生時に備え、対象となる方々のニーズに合わせたケアを提供するという看護の基本を大事に日々働きたいと考えるようになりました。

災害救護訓練

今年度は、日本赤十字社東京都支部と合同で、大規模災害発生時の妊産婦受け入れ訓練を実施しました。たくさんの赤十字救護ボランティアも傷病者役として参加してくださり、緊迫した雰囲気の中、訓練は行われました。
地域から求められる役割として『妊産婦と新生児の救急患者の受け入れ』があり、それを踏まえてBCP(事業継続計画)を策定しています。当院かかりつけの患者さんはもちろん、かかりつけでない患者さんが来院した場合でも、安心かつ安全な医療を提供するための方法を皆で改めて考えることができたことは、とても大きな収穫となりました。日常業務と並行して訓練を計画し、運営するのはとても大変でしたが、職員が一丸となって話し合い協力する姿に、やりがいと活力をもらいました。

できれば起きてほしくない災害ですが、『いつか』に備えて『今』できることを。これからも、地域の母子のいのちと健康を守るために、災害について学び、備えを続けていきたいと思います。


看護部 災害救護・防災検討委員会 山本