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母子日赤だより

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ビタミン・ミネラルについて(栄養課より)

前回、「カロリーと栄養素」というテーマで炭水化物やたんぱく質、脂質についてご紹介しました。これらの栄養素に「ビタミン」、「ミネラル」を加えた5種類の栄養素を「五大栄養素」と呼び、身体にとってなくてはならない栄養素です。今回は、「ビタミンとミネラル」についてご紹介します。

ビタミンとミネラルに共通するはたらき

ビタミンとミネラルはどちらもエネルギーになることはなく、体内での必要量はわずかです。しかし、私たち人間の身体ではほとんど作ることができないため、食事から摂取する必要があります。また、体内で不足すると欠乏症やさまざまな不調を招く場合があり、摂りすぎた場合にも過剰症や中毒を起こすものもあります。
ビタミンとミネラルに共通するはたらきは、「身体の機能を調節する」ということ。ミネラルに関しては「身体を構成する」はたらきもあります。

ビタミンについて

ビタミンは、その性質から水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分けることができます。水溶性ビタミンには、ビタミンB群(B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)とビタミンCがあります。体内のさまざまな代謝に関与し、酵素のはたらきを補っています。水溶性ビタミンを過剰に摂取しても余分なものは尿として排出されることから、体内の量が多くなりすぎる心配は少ないと考えられています。一方、脂溶性ビタミンは、ビタミンA、D、E、Kがあり、主に脂肪組織や肝臓に蓄えられています。身体の機能を正常に保つはたらきをしていますが、摂りすぎると過剰症を起こすことがあります。例えば、貧血予防(鉄補給)のためレバーを毎日大量に食べるとビタミンAの過剰症のおそれがあります。その他、最近ではサプリメントなどでも手軽にビタミンが摂取できるようになっているので、過剰摂取には注意しましょう。
国民健康・栄養調査(平成29年)によると、20~40代女性ではビタミンの中でもビタミンB1、Cが不足傾向にあり、また妊娠を望む女性・妊娠初期には葉酸の摂取も重要です。ビタミンB1は穀類のはい芽(米ならヌカの部分)、豚肉、ビタミンCは柑橘類をはじめとする果物やピーマン、ブロッコリー、葉酸は青菜類や枝豆などに豊富に含まれています。

ミネラルについて

ミネラルもビタミン同様、不足や過剰のリスクがあるほか、互いに吸収や働きに影響をあたえ合うことがあるため、バランスよく摂ることが求められます。「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リンを多量ミネラル、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデンを微量ミネラルとして基準が設定されています。
国民健康・栄養調査(平成29年)によると、20~40代女性ではミネラルの中でもカルシウム、マグネシウム、鉄が不足傾向にあります。カルシウムは乳製品や小魚、マグネシウムは魚や海藻、ナッツ類、鉄はレバーや赤身の魚や肉、ほうれん草などに豊富に含まれています。カルシウムやマグネシウムは骨をつくるための成分として、鉄は血液をつくるために重要な栄養素なので、日頃これらの食品が不足していると感じる場合には意識して摂るようにしましょう。

栄養課 成島