グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ


母子日赤だより

ホーム  > 母子日赤だより  > 食の地域性【お雑煮】について(栄養課より)

食の地域性【お雑煮】について(栄養課より)

当院の食事は「①和食を中心とした、②妊婦・授乳婦に優しい、③家庭でも参考となるメニュー」をコンセプトに献立を考えています。今年度は当院で提供しているお食事の中から、季節ごとにおすすめのメニューをご紹介します。今回は、「食の地域性(お雑煮)」に関するコラムです。

雑煮の地域性

日本には「郷土料理」という言葉がある通り、その地域特有の食・料理の楽しみ方があります。お正月に食べる雑煮もまた、地域性があることをご存知でしょうか?例えば…
・東の雑煮の原点ともいわれる「江戸雑煮」
武家が支配した東日本では「敵をのす(=倒す)」の縁起から、のしもちを切った角もちを焼いてつくります。また、汁は「みそをつける(=しくじって面目を失う)」といって味噌仕立てを嫌い、かつおだしのすまし汁に。具は鶏肉、大根、三つ葉などが主に使用されます。
・西の雑煮の原点ともいわれる「京都雑煮」
京都では昆布だしで丸もちをやわらかく煮て、白みそで仕立てることが多く、具は里芋や大根を使用します。「人の頭になるように」と頭芋(里芋の親芋)を入れることもあるそうです。雑煮は京生まれですが、もともとはすまし汁で味つけをしていたようです。
その他、地域によって餅の形(角・丸)や調理法(焼く・茹でる)、汁の味付け(すまし・白みそ・赤みそ・あずき)などさまざまです。

全国の雑煮について

各地域や家庭でも異なる雑煮ですが、今回はその一部をご紹介します。

北海道:鶏ガラだし雑煮
 札幌では主に鶏がらベースで、砂糖が入っていて少し甘いのが特徴。焼いた角餅が入っています。
岩手:宮古くるみ雑煮
 煮干しだしの汁に焼いた角餅を入れた雑煮。宮古地域では、雑煮の餅を甘いくるみだれにつけて食べる習慣もあります。
愛知:名古屋雑煮
 餅は焼かずに、かつおだしで煮て柔らかくします。戦国時代の激戦地であったことから、白い餅を焼くことが「城が焼ける」ことにつながり、縁起が悪いとされたためです。
鳥取:小豆雑煮
 別の鍋で煮た丸餅を、甘い小豆汁に入れたもの。一般的なぜんざいに近いものですが、山陰地方ではこれが雑煮です。小豆の赤色には邪気を払う力があり、縁起が良いとされています。
香川:白味噌あん餅雑煮
 いりこのだし汁であん餅を煮て、白味噌で仕立てたもの。あん餅から小豆あんが溶け出して、独特のおいしさに。
福岡:博多のブリ雑煮
 別の鍋で煮た丸餅を、あご(干しトビウオ)のだし汁に入れたもの。かつお菜を入れるのが特徴です。(かつお菜:主に福岡県内で冬場に店頭に並ぶ、ほぼ雑煮専用の青菜)

今回は雑煮についてご紹介しましたが、全国各地で郷土料理をはじめとする地域性が存在します。
自分の食生活は当たり前になってしまって気づきにくいかもしれません。ぜひご家族やご友人と故郷の料理や食の特徴を紹介しあうのも面白いかもしれませんね。
ちなみに、餅は2個で茶碗1杯分のご飯(140g)と同程度のカロリーです。おせち料理には砂糖や食塩も多く使われているため、食べ過ぎには注意しましょう。

栄養課 成島