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母子日赤だより

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妊娠から育児期のこころのケア ~産院における心理士の関わり~

当院では、赤ちゃんやママの「からだ」だけでなく「こころ」のケアにも力を入れています。

さまざまな職種のスタッフが各々の専門性を生かし、こころのケアを担っていますが、そのうちの一人として臨床心理士もいます。

こころの揺らぎを見守る

妊娠・出産・育児は、誰もが難なくできているように思われがちですが、実際はそうでないことも多くあります。そのため、この時期にぶつかる困難は、小石ほどのつまずきであっても、とてつもなく大きな岩が立ちはだかっているように感じることがあります。
妊娠から育児の過程で、例えば健診で医師が診察をし、助産師が妊娠中から産後まで寄り添うように、心理士も特別な関わりをするためではなく、この時期に生じるこころの揺らぎを見守る存在として、当たり前のようにそこにいることを当院では目指しています。
こころの揺らぎは痛みを伴うことも少なくありません。思い描いていた出産や育児と実際の違いに対する戸惑いや傷つき。治療が必要となった赤ちゃんに対する思いや自責の感情。新たな生活で生じる家族内の葛藤。産後の心身の不調でいつもの自分でなくなるような怖さ。わが子とどう向き合っていいか分からない無力感。そして、おなかの中で亡くなってしまった赤ちゃんへの思いや願い。こうしたこころの揺らぎは、ときに一人で抱えるには重すぎることがあります。その時はゆっくりお話を伺いながら、こころの動きをママやパパと一緒に見つめるための時間を設けています。

いのちと向き合う時間を

揺らぎの一つひとつを丁寧に扱っていくことが、その人の妊娠・出産・育児の体験、ひいてはその人自身や赤ちゃんを大切にすることにつながると考えています。そのためにも心理士として、ママやパパとなる人が生まれてくるいのちと向き合う時間が守られ、自分のペースで親として歩み進めてゆけるよう、一緒に考えていくことを心掛けています。

患者相談・医療連携課 坂井