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寄生虫はアレルギーを予防するか?

 


 アレルギーとは、食物・ダニ・花粉・昆虫・動物の表皮などにより引き起こされるショック反応を指します。新聞・テレビ等でも報道されているように、ときには子どもの死亡事故にもつながる怖いものです。現代では、血液検査により、ある程度はアレルギーの原因物質を特定することができます。

 さて、このアレルギー反応を寄生虫が予防するという説が、某大学の偉い寄生虫博士によって報告されてから有名になりました。
 寄生虫なら何でもよいみたいですが、寄生虫の種類はたくさんあって覚えるのも大変です。
 有名なのは回虫、ギョウ虫、サナダ虫でしょうか。

 日本では、寄生虫感染者は1949年には60%(ほとんど回虫)もいましたが、約40年後の1990年には0.02%まで低下しました。このころからスギ花粉症が騒がれ始め、寄生虫感染がないとアレルギーになりやすいと言われるようになった訳です。
 実際、東南アジア・中国の一部では、寄生虫感染者が60%以上もあり、アレルギーを発症している人はほとんどいないというところもあります。
 なぜアレルギーが起きないのか?
 アレルギー反応を寄生虫が予防するという説では、寄生虫に感染した人にはIgE抗体(アレルギー抗体)が大量に作られ、その抗体が肥満細胞(かゆみ、くしゃみ、鼻水を引き起こす物質)の表面を覆って、アレルギー反応を起こさないようにしていると説明されています。
 一見、もっともらしい説に思えますが、日本とベトナムの大学で行った共同研究でベトナムの首都ハノイの学童88名を調べた結果、寄生虫感染者は83%にものぼり、アレルギーのある子は少ないという結果が出ました。この結果だけだと、寄生虫の高感染率と低アレルギー発症に関係があるように思われますが、アレルギー既往歴のある児童9名のうち6名が寄生虫感染者であったことから、寄生虫感染がアレルギーの発症を抑えるという関係は認められなかったとこの研究では結論付けています。

 寄生虫感染の有無とアレルギー発症とは繋がりがあるように見えますが、中身をじっくり吟味してみますと関係のないことが分かります。

 情報に惑わされず、どうしても気になったことは専門家に聞いて、対処していくのが良いでしょう。

検査課 稲川