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母子日赤だより

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食物繊維について(栄養課より)

妊娠中の便秘について

妊娠中はさまざまな体の変化に悩まされますが、中でも便秘に悩む方は多くいらっしゃいます。
なぜ便秘が起こりやすくなるかというと、さまざまな原因がありますが、妊娠中はホルモンの働きによって腸の動きが弱くなったり、大きくなった子宮が腸を圧迫することが考えられます。さらに便が腸に留まる時間が長くなると、腸管への水分吸収が増えて便が硬くなってしまいます。
今月は食事の面から便秘について考え、便秘予防に効果がある食物繊維の役割と多く含む食材、レシピをご紹介します。

食物繊維の役割とは

食物繊維とは、人の消化酵素では消化することのできない食べ物の中の成分です。食物繊維は、便の量を増やして便秘を防ぐほか、最近では、心筋梗塞、糖尿病、肥満などの生活習慣病の予防に役立つことも分かっています。
食物繊維は水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維の2つがあります。

【不溶性食物繊維】
穀類、野菜、豆類、キノコ類、海藻などに多く含まれています。
胃や腸で水分を吸収して大きくふくらみ、腸を刺激して便通を促進します。
【水溶性食物繊維】
昆布、わかめ、こんにゃく、果物、里いも、大麦、オーツ麦などに含まれています。
大腸内で発酵・分解されると、ビフィズス菌などが増えて腸内環境がよくなり、整腸効果があります。
また粘着性により胃腸内をゆっくり移動するので、お腹が空きにくく、食べ過ぎを防ぎます。
糖質の吸収をゆるやかにして、食後血糖値の急激な上昇を抑えます。

食物繊維は便の体積を増やす材料となるとともに、大腸内の腸内細菌に利用され、便秘予防や腸の働きを正常にするだけでなく、肥満防止、血糖値上昇の抑制、コレステロール上昇の抑止など体にとって多くのメリットを持つことが明らかとなっています。

食物繊維を効率よく摂るために

20~49歳女性の平均摂取量は1日あたり13g前後と推定されています。しかし、1日の目標量は18g以上ですので多くの日本人は食物繊維が足りていません。
食物繊維は、豆類・野菜類・果実類・きのこ類・藻類などに多く含まれています。
特にそば・ライ麦パン・しらたき・さつまいも・切り干し大根・かぼちゃ・ごぼう・たけのこ・ブロッコリー・モロヘイヤ・糸引き納豆・いんげん豆・あずき・おから・しいたけ・ひじきなどは、普通に食べる量(1食あたり)の中に食物繊維が2~3gも含まれています。
効率的に食物繊維を摂るには、これらの食材を組み合わせて毎日の食事に取り入れると良いでしょう。
ちなみに食物繊維は魚介類や肉類などの動物性食品にはほとんど含まれていません。
野菜をあんまり食べないと感じている方は食物繊維が不足している可能性が高いです。
食事にサラダをプラスするなど積極的に野菜を取り入れましょう。

参考文献
平成29年 国民健康・栄養調査結果の概要
日本人の食事摂取基準[2015年版]
食物繊維の必要性と健康 e-ヘルスネット 情報提供|厚生労働省 より一部抜粋・改変

今月のレシピ ~ 食物繊維たっぷり!ごぼうとひじきの鶏ご飯 ~

◆材料(4人分)
・白米 2合(茶碗4膳分) 
・料理酒 大さじ2 ・しょうゆ 大さじ1
・鶏もも肉(1cm角切り)50g 
・ごぼう 50g ・ひじき(乾) 3g
・しいたけ1個 ・人参 20g
・万能ねぎの小口切り 適量

◆作り方
①ごぼうは笹がき、しいたけ・にんじんは千切り、ひじきは水に戻す。
②炊飯器に白米と水を炊飯器の線まで入れる。
③②に調味料と鶏肉、①を入れる。
④炊飯器で炊く。
⑤お茶碗に盛り付け、万能ねぎをちらす。

☆メモ☆
食物繊維が豊富なごぼうにあわせて、ひじきをプラスすることで、さらに食物繊維の量がアップします。
乾燥しいたけを使うときは、戻し汁をお米を炊くときに使うとうまみがアップします。
お好みでしめじ・えのき・さつまいもなどをプラスしてアレンジしても良いでしょう。

栄養課 永嶋