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母子日赤だより

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新生児聴覚スクリーニングについて

新生児聴覚スクリーニングとは

新生児聴覚スクリーニングとは、聞こえの異常を早く発見するために赤ちゃんに対して行う検査のことです。
生まれつき、聴覚に何らかの障害を持つ赤ちゃんは1,000 人に1人から2人と言われていますが、以前は2歳を過ぎてから言葉の発達の遅れによって発見されることがほとんどでした。近年、優れたスクリーニング方法が開発され、早期に聴覚障害の診断を行うことが可能になり、適切な治療や支援をすることによって言葉の発達やコミュニケーションの形成を助けることができるようになりました。

では、なぜ生まれて間もない赤ちゃんの耳が聞こえているか、わかるのでしょうか。

検査方法は自動ABRとOAEの2つ

新生児聴覚スクリーニングには現在、自動ABR(自動聴性脳幹反応)とOAE(耳音響放射)の2つの方法が使用されています。
どちらの検査も痛みなどなく、検査による赤ちゃんへの負担は全くありません。
自動ABRは、赤ちゃんが寝ている間にささやき声程度の音をイヤホンから聞かせて内耳の蝸牛から先の聴神経、脳幹までの反応を頭皮の電極にて検出し、自動判定します。
OAEは音に反応して内耳から返ってきた反響音を検査します。赤ちゃんの耳にプローブを挿入して測定を行いますが、新生児の場合、耳垢や中耳に残った羊水の影響などにより、「要再検」となる頻度が自動ABRより高くなります。また、内耳より中枢に異常がある場合は検出されません。
しかし、検査にかかる費用や時間が自動ABRより少なく済みます。

当院では自動ABRを採用

当院では2019年5月より新生児聴覚スクリーニングを従来のOAEから自動ABRへと変更することになりました。検査はお母さんの入院期間中、生後2日から退院までの間に行います。

スクリーニング結果が「正常」であれば、先天性の難聴は否定されたと考えられますが、生後におこる中耳炎やおたふくかぜによる難聴、進行性難聴は発見できないので、注意が必要です。また、「要再検」の場合は、あくまでも、精密検査が必要であるということであり、ただちに聴覚障害を意味するものではありません。スクリーニングは多くの赤ちゃんを効率的に検査するための方法であり、これによって何かしらの最終判断が出るものではありません。むしろ、スクリーニングでとりこぼしがあるといけないため、耳垢や羊水の影響によっても「要再検」となるしくみになっているのです。実際、「要再検」といわれた赤ちゃんのうち、半数以上は精密検査の結果「正常」となっています。

お住まいの地域によってはすべての赤ちゃんに検査を安心してお受けいただくために検査費の一部を助成しているところがあります。費用の助成を受けるためには、あらかじめ「新生児聴覚検査受診票」が必要です。

赤ちゃんの健やかな言葉の発達のための第一歩として新生児聴覚スクリーニングを受けましょう。

検査課