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新しいワクチンのご紹介【その1】

日本は接種を許可している予防接種ワクチンが世界的にみて少なくワクチン後進国と言われていますが、このところ新しいワクチンが相次いで認可されています。小児用肺炎球菌ワクチン(商品名プレベナー)と子宮頸がん予防ワクチン(サーバリックス)です。当院でも4月から接種開始することになりましたので2回に分けてご紹介します。まずは小児用肺炎球菌ワクチンです。

肺炎球菌は私たちの身近にいる菌です。子どもの体力が落ちたときに、この菌は体の奥に忍び込んでさまざまな病気を引き起こします。一番怖いのが髄膜炎です。脳や脊髄をおおっている髄膜にこの菌が侵入して炎症を起こします。日本では毎年200人ほどの小さな子どもがこの肺炎球菌による髄膜炎にかかり約3分の1の子どもが亡くなったり重度の障害を残したりしています。すでに予防接種がスタートしているHibワクチンで感染予防されるヘモフィルスインフルエンザ菌b型とこの肺炎球菌が子どもの髄膜炎の原因として大多数を占めておりこの二つの菌に対してのワクチン接種が普及すると子どもの細菌性髄膜炎は激減すると予測されています。肺炎球菌は髄膜炎の他に肺炎や中耳炎を起こしますが、これらについても予防効果があります。

実は肺炎球菌ワクチンは以前から日本でも接種されていました。ただしそのワクチン(商品名ニューモバックス)は主に高齢者向けで2歳未満の子どもには十分な免疫効果を上げることが無理なものです。肺炎球菌は90以上のタイプがあり今回スタートした小児用肺炎球菌ワクチンは子どもに重い感染症を起こす7種のタイプの肺炎球菌に対して免疫力が高められます。
接種開始時期はHibワクチンと同じ生後2ヵ月以上です。お勧めする標準接種スケジュールは生後2~6ヵ月で初回を4週間1)以上の間隔で3回接種し、追加を12~15ヶ月で1回接種するものです。7ヵ月以上12ヵ月未満の場合は初回は2回で追加は2回目から2ヶ月2)以上あけて1歳過ぎに1回接種します。1歳以上2歳未満は2ヵ月2)以上あけて2回接種、2~9歳は1回接種となります。

このワクチンはHibワクチンと同様に同時接種が認められていますので三種混合(DPT) ワクチンやHibワクチンと一緒に接種できます。
反応は接種した部位の赤み、硬結、脹れや軽度の発熱などで他のワクチンと変わりないようです。日本では今年2月から接種開始されたばかりですが世界的には10年の歴史がある予防接種です。
Hibワクチンは予想を超える接種希望があり現在でも需要に供給が追いつかず希望者全員に接種できない状態が続いておりますが、小児用肺炎球菌ワクチンは十分な供給本数があるということです。

最後に気になるお値段ですが、Hibワクチンよりも高いです。「お金持ちの子どもだけがワクチン接種ができて病気にならない」というのは極めて不公平です。景気浮揚対策的な子ども手当は本来このような予防接種などの目的のしっかりしたものに使われるようにするべきであると私は考えます。またおじいちゃん、おばあちゃんがかわいい孫のために洋服や靴などを買ってあげるのもいいですが、予防接種をプレゼントすることをお勧めします。一生涯にわたって病気にかからない抗体が孫の身体の中の在り続ける、こんな素敵なプレゼントはどこを捜してもないでしょう。

注:1)4週間・・・正確には27日 2)2ヶ月・・・正確には60日